二重学籍はなんでダメ?
二重学籍とは、同一の人物が2つの大学等で学籍を得ることを言います。
簡単に言えば、「○○大学と✕✕大学、2つの大学に入っている」という状態です。
学生の立場からすれば、「両方の大学に学費を納入しているのだから、2つの大学に入ること自体は問題ないのでは?」という考えもあるでしょう。
しかし、一般的に二重学籍は認められていません。なぜでしょうか。
二重学籍を認めない法令は実はない
自大学の学生から、「他の大学(等)にも平行して通いたい」と申し出があったとき、「こうした法令があるから、二重学籍は認められません」と説明ができると良いのですが、実は現状、二重学籍をしてはいけないという法令・法律はありません。
各大学が、学則等の規則で「二重学籍を認めない」と規定していれば、そのように説明をすることは可能ですが、そうした規定をしていない大学もあれば、そうでない大学もあることでしょう。
二重学籍を認めない理由
それでは、二重学籍を認めない理由とは何なのでしょうか?
13.学生が複数の大学に同時に在籍することが不適切であるとされることとの関係はどのようになりますか?
二重在籍が望ましくないとしているのは、学校教育法の修業年限の規定の趣旨に照らし、学生が二以上の大学の教育課程を同時に履修することは学生の十分な学習時間が確保できなくなると考えられるためです。
一方、共同実施制度は複数大学が共同して一つの教育課程を提供するものであり、学生は当該共同教育課程を履修し連名学位を授与されるためには、複数大学に制度上は重複して在籍している必要があると解され、これは前記の二重在籍とは趣旨・態様を異にするものであり、これまでの見解と矛盾しないものと考えられます。(したがって、一般的に「二重在籍」が望ましくないという点に変更はありません。)
二重学籍がダメな理由は、学生の十分な学習時間が確保できなくなってしまうから。というのが、基本的な考え方となります。その学習時間の考え方については、下記の単位に対する学習時間の考え方の記事でも紹介していますので御覧ください。
こちらの考え方はダブル・ディグリーなどの際にも参考となりますね。
学習時間の問題をクリアすれば、二重学籍もOK?
それでは、学習時間をしっかりと確保できることができるのであれば、二重学籍はしてもよい、ということでしょうか。これに関しては、各大学の判断によるかとは思いますが、客観的に判断しても、学生の学習時間を阻害しないということであれば、認めて良いかと思います。但し、それが認められるケースは、極々稀なケースであるとは思いますが。
二重学籍でもOKの事例など
どうした場合に二重学籍がダメなのか、二重学籍が許されるのかについても下記記事にまとめましたので、参考にしてください。
二重学籍の記事のアクセスが非常に多いようなので、今回はもうちょっと踏み込んだ内容について記載したいと思います。 ...