大学が納める税金は?



大学も税金を払う

大学も学校法人で、法人ですから、その活動に応じて税金を納める必要があります。

ですが、学校法人に対してはその公共性・公益性の観点から税制上の優遇措置が設けられています。

思っていたよりも多くの税が非課税となっていますので、今回はその内容についてまとめてみました。

なお、国立大学と私立大学では扱いが異なりますので、こちらには私立大学における内容を記載しております。


法人税

収益事業以外は非課税です。

収益事業に対しても税率は19%であり、普通法人の23.9%と比較しても優遇されています。

また、収益事業の所得を学校教育の事業に繰り入れた場合(みなし寄附金)は、当該所得の50%(200万円未満の場合は全額)までは損金に算入されます。


登録免許税

あまり聞きなれない税かもしれませんが、土地や建物などの不動産の登記時や、会社設立時などの商業登記時などにかかる税です。

学校法人に対しては、校舎等の所有権や直接教育の用に供する土地の所有権等の取得登記については非課税です。


消費税

学校法人の場合、授業料や入学金、補助金などの不課税取引が大半なので、基本的には非課税と考えて良いですが、物品の販売や賃借料などは課税取引に該当しますので、この部分で納税の義務があります。

この計算が非常に複雑です。

簡単に言えば、消費税が課税される各取引について、受け取った分と支払った分を相殺し、その超過分を納めたり還付されたり、といった流れです。

これ関しては、機会があれば別途取り上げたいと思います。


住民税(法人)

収益事業を行わない限り非課税です。

収益事業を行っていても、所得の90%以上を教育の事業に繰り入れている場合には課税されません。


贈与税・相続税

学校法人が財産の贈与または遺贈を受けた場合、原則として相続税、贈与税は課税されません

また、学校法人に対して寄附を行った人にも税制上の優遇があります。


その他

事業税、事業所税(収益事業に係るものを除く。)や、不動産取得税、固定資産税、特別土地保有税、都市計画税(目的外不動産を除く。)なども非課税となっています。

私立学校関係税制:文部科学省


おわりに

学校法人は、税制面において優遇されていることがわかりました。

教育は国として事業のひとつですし、そうあるべきではありますが、それと同じだけ、その責任があることとなります。

大学を含む学校法人は営利を目的とするものではなく、公益を目的とするものです。

多くの国民の助力ありきの大学運営ですし、学生・保護者からの納付金のことは当然としても、もっと広い視点で大学としての在り方を踏まえて、襟を正していく必要がありそうですね。