卒業見込証明書は何年生でも出していい!?


卒業見込証明書とは?

卒業見込証明書は、大学が発行する証明書のひとつです。

就職活動などでは、大学が発行する卒業見込証明書、成績証明書、健康診断証明書などが必要になることがあります。

通常の証明書は、確定した事実を外部に示すためのものですが、卒業見込証明書のような「見込み」に関する証明書は、事実獲得の予定についての可能性を示すもので、他の証明書とは性質が異なります


いつから発行していい?

卒業見込証明書は、いつから発行できるのでしょうか?

発行については、法律上の定めはありません

言ってしまえば、大学は1年生からでも卒業見込証明書を発行してもいいのです。

ですが、それでは証明書としての意味合いがなくなってしまいます。
では、どのタイミング・条件で発行可能となるのが良いでしょうか?


卒業見込証明書は、大学と提出先とのお約束

提出を求める企業や進学先の学校が、何のために卒業見込証明書を出させるかというと、就職資格や入学資格の確認はもちろん、早期段階での振り落としや選抜の意味合いもあります。

卒業できない学生のために、様々な準備や研修を行い、費用をかけるのを避けたいと考えるのは当然のことです。

第一の振るいとして、まずは自身の大学内で卒業見込の条件を満たしているかを判定してもらう、ということですね。

大学は大学で、どうやっても卒業の見込みがない学生に卒業見込証明書を発行してしまうと、外部にも迷惑をかけますし、なにより当該学生本人にも不都合を与えかねませんので、慎重な発行基準を設ける必要があります。

あとになって、「どうして卒業が不可能だったとわかっていたのに見込証明書を出したんだ?」といった問題にならないようにしなければなりません。

一般的な発行時期・発行条件は?

通常、卒業がほぼ見込める4年次になってから、というのが一般的です。

修得単位数についての条件は大学によって様々ですが、基本的には、卒業に必要な残り単位数が、残り学期間での最大取得可能単位数以内であれば発行可能としている大学が多いようです。

発効タイミングは、4月の履修申請が終了し、その学期の単位修得が見込めるタイミングであったり、4年次になってすぐであったり、大学や学部によって違いはあるようです。


おわりに

卒業年次になれば、卒業見込証明書は発行可能だ、と勘違いしている人も多いようですが、それでは証明書としての意味合いがありません。

それで良いのであれば、1年次に4年後に卒業見込み、2年次に3年後に卒業見込み、3年次に2年後に卒業見込み、といくらでも見込みは可能です。

修業年限だけが、卒業の要件でない以上は、別の条件も踏まえる必要がありますね。
かといって、「卒業要件単位が修得でき、あとは卒業式を待つだけ」の段階でからしか卒業見込証明書を出さないというのも、あまり意味がありません。

結局は、「卒業年次生であるものの、確実に修業年限で卒業できない学生をあぶり出す」という要素の方が、現状の卒業見込証明書の役割としては適ってしまっているような印象で、少し悲しくなる昨今です。

普通にしっかりと大学に通い、学修している学生さんは、あまり気にしなくても良い問題かもしれませんね。