大学と大学校の違いとは?

大学校は大学とは違うのか?

我々の勤める大学と、よく耳にする大学校、この違いは何なのでしょうか?
なお、今回は現存する日本国内の大学・大学校のみを取り上げます。東京大学の前身の大学校や旧制の大学校については、ここでは触れません。
では一体、どのような違いがあるのでしょうか。大学職員であれば、説明できるようにしておきたい違いです。

法令上の違い

大学は学校教育法第1条に規定されています。
第一条
この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。
これに対し大学校には、これを規定する法令はありません

大学校って何をするの?

法令上、定めがないから実際なんでもできる、ということになります。
また、学位授与機構に認められれば、学位の取得も可能です。単純に、学位を取得できるのが大学で、取得できないのが大学校という区別ではありません。
大学校には、大きく分けて下記の分類があります

  • 大学または大学院相当の教育を行うと認定され、課程修了により学位取得ができる大学校
  • 認定がなく学位取得はできないが、それに準じた教育訓練を行う大学校
  • 省庁の研修等の目的で独立行政法人が設置する大学校
  • 地方公共団体等が市民に対して生涯学習提供のために開くもの

大学を名乗れるのは大学だけ

学校教育法第135条第1項に、下記の記載があるため、大学以外の教育施設は、「大学」の名称を用いてはいけません。
第135条
専修学校、各種学校その他第一条に掲げるもの以外の教育施設は、同条に掲げる学校の名称又は大学院の名称を用いてはならない
ここで、「じゃあパ○ンコ大学は?」とか「○○大学ってお店は?」などという議論になることがありますが、 教育施設ではないのでそこはセーフです。逆に教育施設であり、大学を名乗っている場合は学校教育法に反していることになりますね。

学位が取得できる大学校

学位が取得できる大学校は、現状は下記の通り。

大学校名 学士 修士 博士
防衛大学校 学士(理学)、学士(工学)、学士(人文科学)、学士(社会科学) 修士(理学)、修士(工学)、修士(安全保障学) 博士(理学)、博士(工学)
防衛医科大学校 学士(医学) 博士(医学)
海上保安大学校 学士(海上保安)
気象大学校 学士(理学)
国立看護大学校 学士(看護学) 修士(看護学)
水産大学校 学士(水産学) 修士(水産学)
職業能力開発総合大学校 学士(工学)、学士(生産技術))

学位が取得できると思って入ったら、取得できなかった、ということのないようにしたいですね。ただ、学びたいことがあってそこに入学するのならば、学位が目的で入学するということはまずないとは思いますが。