GPAって何?計算方法や使われ方について


GPAって何?

GPAとは、Grade Point Averageの略です。厳格な成績評価制度と言われ、大学における世界標準的な成績評価制度と言えます。セメスター制の学期構成が前提となります。
大学における「評定平均」みたいなもので、GPAは成績の数値化方法の一種です。
GPA制度を導入している大学は。平成23年度時点で全体の6割程度でしたが、最近では約8割以上の大学が導入しているスタンダードな指標となっています。

算出方法・計算方法は?

授業科目ごとの成績評価を、例えば5段階(A、B、C、D、E)で評価し、それぞれに対して、4、3、2、1、0のように数値(グレード・ポイント:GP)を付与し、この単位あたりの平均(グレード・ポイント・アベレージ:GPA)を出します。


ですので、履修した科目がオールS(AAや優)だった場合は、4.0がGPAとなります。
ただし、GPは大学によって違いがあり、突出した成績の場合は4.3を最大とする大学などもあるため、必ずしも4.0が最高値とも限りません。
大学間での足並みが揃っていない以上、外部での評価基準として使用するのは少し危険な気がしますが、就職活動時等にGPAの報告をさせる企業もあるそうなので、そうした企業には、出身大学の違う学生感の優劣を考える際に、単純にGPAの数値で判断しないよう、注意していただきたいと思います。

何に使われるの?

GPAの使い方については、大学によって異なりますが、以下のページで各大学での使われ方が紹介されています。

大学における教育内容等の改革状況について(平成27年度):文部科学省

主な使用方法としては、以下のものがあります。
  • 学生に対する個別の学修指導
  • 奨学金や授業料免除対象者の選定基準
  • 履修上限単位数の設定
  • 進級・卒業判定の基準
  • 退学勧告の基準
  • 大学院入試の選抜基準
  • 早期卒業や大学院早期入学の基準
  • 授業科目の履修者に求められる成績水準(ベンチマーク)
  • 各教員・各授業科目間の成績評価基準の平準化
学生間の優劣を考える際には、GPAは非常に役立ちます。単純に修得単位数だけでは、学生の優秀さは判断できません。
ギリギリの成績で単位を修得してばかりの学生と、すべての履修科目で優秀な成績を修めているものの、総修得単位数は少ない学生、どちらが優秀でしょうか?必ずしもそうであるとは言い切れませんが、大抵の場合、後者でしょう。それを瞬時に見分けることができるのがGPA制度です。
教職員にとっても、「GPAが2.0以下の学生はあまり学修動向が良くないので注意して指導しよう」と、簡単にピックアップが可能です。
多くの学生の中から、成績面で問題がある学生を見分けるに当たっては、非常に有用な制度と言えます。

GPAの上げ方

大学における様々な場面で、GPAの数値によって恩恵を受けられるかどうかが変わってきたりもしますので、学生によっては、気になる部分かと思います。
GPAの上げ方としては、「いい成績を取れる自身のある科目のみ履修する」のが一番です。1科目だけ履修し、その科目がSの評価であれば、その学期はGPAが最大の4.0になります。
しかし、その履修の仕方だけでは卒業要件がいつまでたっても満たせず、卒業できませんから、やはり「卒業に必要な科目数を最小限で履修し、確実に良い成績を取る」が一番でしょうか。
当たり前のことになってしまいますが…。急がばまわれ、ということですね。
多くの大学には、一度履修申請をした科目を、一定期間内であれば取り消すことができる「履修中止制度」がありますので、GPAを上げたい方は「この科目はいい成績取れないな」と早い段階で感じた場合は、履修を中止し、GPAが下がらないようにするということも可能です。

おわりに

ここまで書いたように、GPAは教職員などの管理者側からすると非常に有用な指標です。学生の動向をひと目で察知し、必要なケアを行うことが可能になります。
ただ、1科目のみ履修しSでGPAが4.0の学生と、10科目履修してひとつだけAのGPA3.9の学生、一体どちらが優秀と言えるでしょうか?
状況にもよるでしょうが、私は後者の方が優秀な学生だと思っています。
こうしたこともあり、学生の優劣を考える上では完璧な制度とは言えないと思っています。GPAを活用する方々においては、数字だけでなく、多角的な視点で学生を見ていただきたいと願います。