コロナで変わる理事会・評議員会・教授会のオンライン化


コロナで変わった会議室の在り方

新型コロナウイルス感染症により、様々な面で変化が求められますが、会議の様式についても、大きく変わりました。

そもそも会議室という部屋に大人数が集まり議論を交わすということ自体が、「密」となり、集まることができなくなりました。

大学においても、理事会・評議員会、教授会など、重要な会議を行う必要がありますが、これまで通りのやり方はできなくなってしまいました。

理事会・評議員会のオンライン化

こうした状況を踏まえ、文部科学省高等教育局私学部私学行政課より「新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた学校法人の運営に関する取扱いについて」という事務連絡が各学校に通達されています。


この中では、理事会・評議員会の実施方法について、テレビ会議などオンライン会議であっても許される、ということが記載されています。ただしもちろん、制約はあります。

1 理事会の開催について
(1)原則として,理事会は単に議決を行うための機関ではなく,理事が議題について相互に意見交換を行うことにより学校法人の業務執行の意思決定を行うことが期待されるものであることから,書面のみで決議を行うことは認められないこと。
(2)他方で,理事会の開催にあたっては,新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から,無理のない範囲で出席可能な理事のみが実際に出席したうえで,他の理事については書面による意思表示によって理事会への出席とみなし,理事会を開催することは可能であると解されること。なお,単なる白紙委任や理事長等への一任等は出席者とみなすことはできないことに留意されたいこと。また,例えば,テレビ会議等による理事会開催についても,出席者が一堂に会するのと同等の相互に十分な議論を行うことができるという環境であれば,許容されると解されること。
(中略)
2 評議員会の開催について
評議員会の開催についても,1と同様に扱われたいこと。

書面のみでの決議はやはりダメです。
充分に議論したことにはなりません。

一部欠席者については書面による委任も可能ですが、その場合にも意見表明等が必要です。
評議員会も、同様に考えて良いようです。

教授会は?

教授会については、文科省等から特にこうした通達が届いてはいないようですが、上記の理事会・評議員会と同様に、zoomなどのオンライン会議で行っても差し支えないでしょう。
ただ、十分な議論の必要性はあるものの、理事会・評議員会ほどの制約は特になく、その運用におけるルールについては、各大学・各学部の判断に委ねられていると解されます。

おわりに

これらの会議に関わらず、多くの会議がオンライン化・web化されてきています。
これによる会議の効率化ができれば良いのですが、「物事を議論のうえ決定する」という本質的な効率化ができても、その他の「集まったついでに意見交換をする」だとか、「顔色を窺いつつ話の方向性を変える」だとかが出来ない、といった意見も聞きます。
個人的には同意できる部分もあり、同意しかねる部分もありますが、時代の変化に応じて、柔軟に対応できるようにすることが重要であると思います。
「こうであるべきだ」と、自身の考えを言うことは簡単ですが、その理由・裏付けとなるものがないままでは、有意義な会議にはなりません。